三重県名張市の「赤目四十八滝」を訪れる
【2013年06月23日(日)】
6年半ぶりに赤目四十八滝を訪れる。

おおよそ一週間前に電話で問い合わせてみると渓谷の水は極端に少なくなっているとの回答。しかし、一昨日の台風4号の影響による大雨のおかげで水量が回復していることを確信して、赤目に到着したのは10:00前。天気は曇りで絶好の写真日和。観光客もそれほど多くない。日本サンショウウオセンター入口で300円を支払い渓谷に足を踏み出す。

遊歩道を歩いて5分程度。
霊蛇滝を過ぎて「赤目五瀑」の一つ「不動滝」を橋の上から眺める。


予想を遥かに上回る水量。落差15mの滝はド迫力の勢いで流れ落ちていた。

さらに幾つかの滝を眺めながら遊歩道を歩くこと30分程度。
落差30m。滝壺の深さは何と30mもあると言われる「布曳滝」に到着する。


普段水量が少ないときは岩盤の上を白布を垂らしたように静かに流れる滝だが、
この渓谷で最もお気に入りの滝は、大雨明けのこの日、迫力の流れとなっていた。

この滝の上流にある滝ヶ壺はなかなか綺麗な淵でお奨め。
その後も小滝は幾つも続き、撮影が楽しい。

そして1時間程度経った頃、この渓谷で最も有名な「荷担滝(にないだき)」に辿り着く。
この滝の正面の観瀑スペースは狭く、滝を眺める人、撮影する人で少々渋滞。
自分も三脚を広げて撮影するのは気が引けた。


慌てて撮影したこともあって、レンズ前に水滴が付いていることに気付かず痛恨の失敗。

「荷担滝」から数分歩くと渓谷は二股に分かれる。
左沢の先に僅かに見える「夫婦滝」の遊歩道にかかる橋はすでに落ちていて進めない。
水量も多かったため、今回の撮影は断念した。

失意のまま本流に続く遊歩道を進むとすぐ目の前にあるのは「雛段滝」。
落差1m程度の小さな落差の滝だが、無数の階段状になっていて、悪くはない。
ただし、たいていの人は足を止めることもなく素通りしているようだった。


その後30分程度を掛け、「琵琶滝」を経て、渓谷最後の「巌窟滝」に到着したのは正午頃。
渓谷入口からここまでは3,290mの道のり。帰路を考えると往復6.5km以上ある。これが街中なら、決して歩くことはないであろう。カメラを持ったときのモチベーションにはいつも驚かされる。

小雨がパラつき始めたので休憩もそこそこに同じ道を引き返すことにした。
そして1時間程度、入口まであと15分といった場所まで戻ってきた。

大雨明けのこの日を狙って赤目四十八滝を訪れたのは目的はここにある。普段は空滝。大雨の後にしか現れないという「大日滝」の撮影が最大の目的だった。渓谷に飛び石状に並べられた石を渡った先の急斜面を登った先にある。渓谷からは見えない。急斜面に通じる登山道に終始掛けられたロープは非常にありがたい。ただ、6km程度を歩いた後にこの急斜面を登るのは中々きつい。

15分程度、木々に覆われた急斜面を登る。おおよそ100m程度登ると突然開けた場所に出た。目の前には落差30mの直瀑「大日滝」がある。


通常空滝であるので水量はそれ程多くないが、この渓谷の中では最大級の滝だった。遊歩道を歩く観光客からは気に留められることもないらしく、再び遊歩道に復帰するまでの30分程度の時間、誰一人姿を見ることはなかった。滝を独り占めできる満足感をここでも味わっていた。