久須部渓谷は、兵庫県香美町西部の扇ノ山(1310m)に源を発する久須部川が創る渓谷である。この渓谷の上流部には落差30mの荒滝、渓谷の入り口にある食事処「滝見亭」の先に要の滝と三段の滝などを見ることができる。
久須部渓谷(1)/荒滝4.15
荒滝は、兵庫県香美町南西部を流れる久須部川の上流域に懸かる落差30mの直瀑である。久須部渓谷入り口を横目にさらに林道を進み4.5km地点。林道脇に「荒滝」の標識が立つ。滝は林道の遥か下方。滝の落ちる音だけが聞こえる。林道からは斜面に遊歩道が続き下りること5分程度。しかし滝壺に下りるにはここからが少々難関。ロープに括り付けたアルミ梯子とガレ場の急斜面を降りなければならない。その分、滝壺の縁から見上げるこの荒滝は迫力満点だ。
久須部渓谷(2)/深山の滝2.82
深山の滝は、兵庫県香美町南西部を流れる久須部川の二つの沢が合流する場所に懸かる三段滝の上流に懸かる落差15mの段瀑で、もともと、下流の滝と合わせて三段滝を構成する滝という扱いともされるようだが、この滝だけでも非常に存在感のある見応えのある滝である。東屋の立つ広場を挟んで隣の沢には要の滝が懸かる。その間の階段を上り、遊歩道を進むと釣り堀のある広場。その脇を通ってこの滝の上流に進むとこの滝を見下ろすことができる。
久須部渓谷(3)/三段滝2.82
三段滝は、兵庫県香美町南西部を流れる久須部川の二つの沢が合流する場所で、向かって右側の左沢(大沢?)に懸かる落差10mの段瀑である。「三段滝」という名称ではあるが、この滝自体は直瀑である。この滝の上流にかかる「深山の滝」と小滝を合わせて三段滝と呼ぶという。東屋の立つ広場を挟んで隣の沢には要の滝が懸かる。その間の階段を上り、遊歩道を進み釣り堀の脇を通ってこの滝の上流に進むと深山の滝が懸かっている。
久須部渓谷(4)/要の滝2.98
要の滝は、兵庫県香美町南西部を流れる久須部川の二つの沢が合流する場所で、久須部川本流である右沢に懸かる落差10mの分岐瀑であり、大きく2つに分かれて流れ落ちて分流瀑でもある。滝のすぐ近くまで近づくことができるが水量が豊富なときはその水しぶきが襲いかかってくる。広場から階段を上がって滝の上流にでるとその先にも見事な渓流が続く。東屋の立つ広場を挟んだ隣の左沢には三段滝が懸かる。
久須部渓谷(5)/鈴音の滝2.08
鈴音の滝は、兵庫県香美町南西部を流れる久須部川の右岸に静かに流れ落ちる落差20mの分岐瀑である。雨の後にしかその姿を見ることができない「幻の滝」とも呼ばれている。滝は、久須部渓谷入り口の駐車場のすぐ目の前に懸かり、水が流れていればすぐに気づく。かつては「鈴滝」と呼ばれていたはずだが、滝の前には「鈴音の滝」と案内板が立っている。