鶏鳴八滝は、滋賀県甲賀市信楽町神山地区を流れる神有川に懸かる鶏鳴の滝を中心とした滝群の総称で、鶏鳴の滝以外の7つの滝は公募により2010年に決められた。1kmの間に8つの滝を見ることができる。それぞれの滝を地元名産の信楽焼のたぬきが名前を教えてくれる。
鶏鳴八滝(1)/神有の滝2.37
神有の滝は、鶏鳴八滝の中で最も上流に位置する落差3mの滝である。周囲の緑と黒く切り立った岩肌を切り裂くように白い飛沫を上げながら3条になって流れていく。その先には浅い滝壺が広がっている。
鶏鳴八滝(2)/岩しだれの滝2.37
岩しだれの滝は、上流から数えて2つ目の滝であり、落差は3m程度だが幅広に広がり優雅さと規模感を感じる。平らな岩の上を浅く流れていく姿は見ていて飽きない。この場所は南の空がが開けているため、晴れた日の昼間の撮影は不向きだ。下流の白布の滝までは目と鼻の先だ。
鶏鳴八滝(3)/白布の滝2.37
白布の滝は、流から数えて3つ目の滝であり落差1m程度の小さな滝である。遊歩道から俯瞰もよいが、滝名を教えるタヌキの脇から斜面を下りて行くことも出来る。この辺りの水は比較的綺麗である。一般的に駐車場からアプローチした場合、5つの滝を過ぎると溜池が現れる。この辺りからほぼ平坦な遊歩道が続き川の流れる音も聞こえない。水が流れる音が聞こえ始めた頃、現れる滝がこの滝である。
鶏鳴八滝(4)/白蛇の滝2.37
白蛇の滝は、鋭くV字に切り込んだ岩の間を勢いよく流れていく落差10m程度の斜瀑である。主瀑である鶏鳴の滝の滝から100m上流の場所に位置する。滝の少し手前の遊歩道外れの大岩の上に立って全貌を眺めたり、V字谷の上から俯瞰することも出来る。滝の手前で遊歩道は二手に分かれているので注意。この滝のすぐ上流には堰堤があり、その奥にはため池がある。ゆえに水質は望めない。
鶏鳴八滝(5)/鶏鳴の滝3.70
鶏鳴の滝は、鶏鳴八滝を代表する落差10mの分岐瀑である。2010年以前はこの滝だけが名前を持つ滝だった。この名の由来は、東方にそびえる笹ヶ岳(738m)の山頂にある古い寺の閼伽池から黄金の鶏が現れ、新年の幸を告げるという伝説にちなんでいる。それほど大きな滝ではないが、水も豊富でバランスも良い。滝の懸かる岩盤は以前は黒かったが、いつしか赤茶けた岩肌となった。
鶏鳴八滝(6)/白神の滝2.37
白神の滝は、駐車場から鶏鳴の滝に向かって遊歩道を歩くとすぐ右手に見ることが出来る落差4mの斜瀑である。滝との間は木々が生い茂り、僅かな隙間から見ることになるので少々撮影しづらい。滝の正面からの写真を見たことがあることから、探せば道があるのかも知れない。
鶏鳴八滝(7)/垂尾の滝2.20
垂尾の滝は、駐車場の前の整備された広場の横に懸かる落差2mの斜瀑である。滝の正面から見ることができるが、その途中は岩づたいに歩いていく。そのため下手に足を踏み入れると崩れてしまいそうな箇所が幾つかあるので注意が必要。
鶏鳴八滝(8)/初音の滝2.20
初音の滝は、最下流に懸かる落差1m程度の滝で、滝名を教える信楽焼のタヌキがなければ、誰も足を止めることもないだろうと思わせるような小さな滝だ。駐車場に通じる林道から4m程度下に流れ落ちている。細い林道の路肩から撮影することになる為、水の音と撮影に気を取られて背後から近づく車に驚かされることもある。林道から川に下りることも出来そうだが少々危険。